子どもの教育環境としての野外教育と情動知能の効果に関する研究
黒澤 毅
本研究は、子どもが「生き生き」とそして「のびのび」と育つために育まれる能力としての情動知能(こころの知性)の観点から野外教育の必要性と重要性への示唆を得ることを目的としている。
研究計画として、先行研究のレビュー、小学生用情動知能尺度の開発、そして、野外教育プログラムにおける情動知能調査の実施と効果の検証を行う。
小学生用情動知能の開発にあたっては、小学4年生から小学6年生までの児童を対象に予備調査を行った。この予備調査は、内山ら(2001)が作成した情動知能尺度(EQS:以下EQSと略す)を参考にしている。尺度は自己対応(intrapersonal)、対人対応(interpersonal)、状況対応(situational)の3領域で構成され、下位因子として21項目がある。これらの下位因子を参考に、筆者が独自に小学生にもわかる内容に修正・加筆して作成した予備調査を用いた。調査を依頼した児童は18校3706名である。得られたデータを集計、因子分析を用いて分析した結果、2因子12項目が得られた。
また、野外教育プログラムが子どもの情動知能に与える影響については、マウンテンバイクで450kmを走破する6泊7日のプログラムの中で調査を行った(現在分析中)。この野外教育プログラムでの調査の理由は、この事業の目的である「挑戦することの大切さ」、「仲間とのかかわり」、「自然のすばらしさ」を子ども達自らが感じとることをねらいとしていることからも、体験を終えた児童の情動知能は向上するのではないかという仮説からである。調査は毎日の班別で実施するミーティング時に行った。
児童の数が少数であったため、また、情動知能の獲得、発達については、個人的にもその特徴を見る必要があるとの観点からも、毎日の児童の活動の様子の記録を参考にし、野外教育プログラムのどのような場面において、子どもの情動知能に変化が見られるか明らかにしていきたい。
























