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天声人語とゼミ生

2012年01月31日 09:18

 昨秋からゼミ活動に朝日新聞の天声人語の書き写し講座を始めた。もう40年以上も前になるが、新聞記者になりたてのころ、先輩記者から「いい文章、いい記事が書きたけりゃ天人(天声人語)を読んで、書き写すことだよ」とアドバイスされた。大学に勤めた今でも、天人の切り口の鋭い文章や心がほっこりするような記事に出会うとそのフレーズをメモ帳にそっと書き写している。
 昨春から書店で売り出された「天声人語書き写しノート」が学校や職場、家庭で爆発的な人気を呼び、朝日新聞の紙面でもその活用法が大きく取り上げられた。603字で鍛える力には、国語力や時事用語の読解力のアップをはじめ、老後の「頭の体操」にまで役立つとある。
 さっそく、私のゼミでも取り入れた。ゼミ生10人に書き写しノートを配り、週一回のゼミ教室で実践してもらった。ほとんどのゼミ生が新聞を読まないため、1週間分の天声人語を切り抜いて用意し、学生たちは、そのなかから自分の気に入った文章や関心の高かった出来事を書き写していく。「この漢字、何て読む」「この故事、諺の意味は?」から国内政治、経済、世界の動きまでゼミ生が関心を持つようになった。入社試験対策に格好の教材といえば、みんなの顔つきも真剣になるが、なによりもゼミ活動の話題が豊富になり、会話も弾むようになったのが、大きな収穫である。
 天声人語は「天に声あり人をして語らしむ」の意味で創刊134年を迎えた朝日新聞社のなかでも1904年から続く名物コラムである。新聞社の顔ともいえる論説委員が書き下ろすコラムを教材に私なりの「天人塾」を広げたい。

的地 修

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写真は週一回のゼミ活動は、天人の書き写しで会話も弾む

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